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体育が苦手な子が考える。

  • 矢野敏夫
  • 2017年3月5日
  • 読了時間: 2分

 キャッチボールが下手だった。投げるのも受けるのも下手。だから放課後に友達と野球なんかしなかったし、苦手→嫌い→避けるの流れでますます下手になった。  だけれど、体育の授業にはなぜか必ず「ソフトボール」の試合という授業があって、それには僕は参加しなければならなかった。僕はボールが取れないので外野のポジションが多い。でもね、外野フライのボールが取れないんです。落下コースも読めないし、スピードも読めない。グローブなんてその日しか使わないからボールにラッキーにも触れても握れない。  当然、チームのハリキリボーイ達には罵られる「お前のせいで負けた」といつも言われた。

 体育の先生。なんで試合形式にするのかわからないけど、実力の差が子どもによってありすぎるんだから、同列でチームを組ませたら駄目なんじゃないかな? 

 大人だったら「彼は球技が苦手なんだから残りの8人で彼をフォローしよう。または彼が力を発揮できるためにはどうするか?」と考えるだろうけど、子どもには無理っす。よもや先生、それを期待されてたんですか?

 僕のような「出来ない子ども」にはいきなり試合じゃなくてキャッチボールの練習やバントの練習から始めさせてほしかったな。能力差がある子どもには段階的にわけて指導することも有りだったんじゃないでしょうか?  スポーツ好きな子どもはまとめてドンドン活躍してもらう。苦手な子はキャッチボールができるようになることを目標にする。そしたらみんなが達成感もてたんじゃないですか? 苦手な子をわけて授業するのは差別じゃない。むし

ろ全員参加というエセ理想が差別の温床になったと僕は思う。

少なくとも僕はいまもキャッチボールをしたいとは思わない。先生は何を指導しようとしたのですか?

 
 
 

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